Vector Optics製プリズムサイト Calypos 1×30のレビュー
先日、友人に見せてもらったVORTEXのSPTIFIREやPrimary ArmsのCyclopsを見せてもらってからというもの、プリズムサイトに魅せられてしまったので、Vector OpticsのCalyposに手を出してしまいました……。
選定理由は価格的に手を出しやすかったというのもあるのですが、“同じの買っても面白くないじゃないか!”という理由です。
どうせならそのうち比較とかもしたいですしね。
というわけで、今回はVector Optics製等倍プリズムサイトCalypos 1×30を見ていきます。
目次
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきます。
今回購入したCalypos 1×30は比較的大型の筐体ということもあり、15cm x 10cm x 9.2cmとパッケージも大きめ。
思ったよりもずっしりときました……。
パッケージ底面には他のVector Optics製品と変わらずスペックシートが記載されていました。
記載内容としては
- 倍率:1倍
- 対物レンズ径:30mm
- 射出瞳:16 – 14mm
- レンズコーティング:フルマルチコーティング
- 視野角:100m先で24.9m範囲・14度
- アイレリーフ:98 – 94mm
- 全長:103mm
- 重量:335g
- 1クリックあたりの移動幅:1/2 MOA
- エレベーション調整範囲:120 MOA
- ウィンデージ調整範囲:120 MOA
- パララックス設定:91.44m
- レティクル:VEP-ROD
- 輝度レベル:11段階 赤
- 使用バッテリー:CR2032
といった感じ。
これまで購入したVector Optics製品の中では比較的高額な部類になるので、かなり細かく調整できますね。
パッケージの中身はこのような感じになっていました。
- Calypos 1×30本体 x1
- 保証書 x1
- レンズクリーナー x1
- 六角レンチ x1
- スコープ型シール x1
- ロゴマーク等のシールセット x1
他にもトークンが入っていたのですが、ちょっとこれは写真を載せるのはよろしくなさそうなのでここには載せていません。
外観
パッケージは一通り見たので、本体の外観を見ていきます。
まずは左側面から。
続いて右側面。
操作系はほとんど右側面に集約されている形ですね。
基本的に右利き向けに設計されているので仕方ないところではあるのですが、輝度調整ダイヤルが斜めについている関係でややごちゃついているように見えます。
エレベーションノブとウィンデージノブのキャップにはワイヤーがつけられているのですが
両方外しても輝度調整ダイヤル基部にワイヤーが通してあるので紛失防止になっています。
エレベーションとウィンデージのゼロインはマイナスドライバーを使うことを前提にした作りになっていました。
最近のVector Opticsは簡単に調整できるような設計になっていたので、やや保守的な印象を受けますね。
続いて上面。
この面はエレベーションノブだけなのですっきりしていますね。
最後に底面。
底面は2本のボルトで留められていて、マウントを外すことができます。
マウント基部の形状はこのようになっています。
この形状で交換できるマウントを私は見た記憶が無いので、もしあったら教えてもらいたいかなと思います。
もし可能ならQD式にしたいかなと。
バトラーキャップには接眼・対物ともにスプリングが入っているので、開けるとフルオープンで固定されます。
これなら動いて邪魔になることは無さそうです。
バトラーキャップを外して対物レンズ側を確認したところ、ネジが切ってありました。
手元には無いので試せなかったのですが、径さえ合えばプロテクターをつけることができるかもしれません。
接眼レンズ側には視度を調整するディオプターもついています。
フィールドテスト
今回は余裕があったので、屋外でどのように見えるかテストしてきました。
まずはレティクルを点灯させないで見た場合。
プリズムサイトの基本構造はスコープなので、消灯状態でもレティクルが見えるのが強みでしょうか。
電池が切れても使えるというのはメリットですね。先日のS&T フルメタルM4 GBBの試射の時は電池が切れていてドットサイトが使えませんでした。
続いて輝度を4に設定した時の写真がこちら。
写真だと分かりにくいのですが、薄っすらと赤くなっているのが分かるでしょうか……?
暗所であれば輝度1でも十分な光量なのですが、屋外だと4でもぼんやりと明るい程度になりますね……。
続いて、輝度11。
ここまでくるとはっきりとレティクルが赤くなって見やすいですね。
続いて、アイリリーフやアイボックスについて。
アイリリーフはメーカーは98mmと掲げていますが、実際に見た感じだとおおよそ120mm程度からケラれることなく見えるイメージでした。
140mmでも若干端がケラれるかなといったところで、狙う分には普通に使えそうというのが率直な印象です。
一方で、アイボックスは狭めな印象。
少しズレるとかなり見えにくいので、しっかりと正面に構える必要がありますね。
こればかりは言葉では分かりにくいので、実際に動画を見てもらえるといいかと思います。
たとえ乱視持ちでもドットがボヤけることが無いのと引き換えにアイボックスをトレードしたものといった印象でしょうか。
構造的には等倍スコープなので、当然といえば当然の見え方ですね。
個人的には割と好きなのですが、この部分だけは好みが分かれるかと思います。
その他の気になったポイント
今回初めて購入したプリズムサイトということで、その他色々試してみました。
その一つが対物レンズ側からの見え方。
通常のドットサイトは照射部から飛ばしたレーザーをレンズに反射させてドットを表示するのに対して、このプリズムサイトはレティクルが描かれた板を発光させているのでどのように見えるのか確認してみようかなと。
で、その結果がこちら。
……かなり派手に発光しているのが見えますね。
狙っている時に相手と目線が合うとバレる可能性がそれなりにありそうな気がします。
試しにForester Gen. 2でも試したのですが、こちらも同じ状況。
とはいえ、こちらはドットのサイズが小さいので気付かれる可能性はほとんど無いとは思いますが。
まとめ
ここまで見てきた中で、気になったのはアイボックスと対物側から見た時のレティクルの派手さでしょうか。
これに関しては構造上仕方ない部分なので納得するしか無い部分ですね。
一方で、プリズムサイトのメリットは何といっても乱視持ちだろうがおかまい無しにクリアに見えるドットの綺麗さ。これに尽きます。
本当にこれを見てしまうと、戻れなくなります……。
お高い光学機器なんて眼鏡だけで十分だとか言っていた私が一度見ただけで陥落しました。
Calypos 1×30に関してはまだ正式に日本では販売していないのですが、VORTEXやPrimary Armsよりは値段は控えめになると思うので、プリズムサイトの中でもかなり手を出しやすいモデルになるのではないかと思います。
それから、ドットサイトとプリズムサイトのどちらが優れているかというのは本当に使い方次第ではないかと思います。
個人的には姿勢は気にせずに素早く狙うことを目的とするならドットサイト、多少時間がかかっても正確に当てていくのであればプリズムサイトになりそうな気がします。
もちろんプリズムサイトも慣れれば慣れるほど素早く狙うことができるようになると思うので、使い方次第な部分は多分にありますが。
プリズムサイトのメリット・デメリットを理解した上で購入するのであれば、価格も含めてお薦めしやすいモデルかと思います。