カナダ製のハードケース NANUK 910のレビュー
前回紹介したPELICAN Protector 1170ケースと合わせて、カナダのハードケースメーカーNANUKの910も合わせて購入しました。
PELICANのProtector 1170はサイズ的に小型光学機器やハンドガンサイズまでしか入らないので、ショートスコープ用としてNANUK 910を合わせて購入していました。
日本ではPELICANと比べてNANUKの知名度は低いというのが実情かと思います。
ですが、MIL-SPECに準拠しておりPELICANと同等程度の品質を見込めそうだったので選択してみました。
単純に知名度が低いから人柱感覚で購入してみたというのもあるのですが。
目次
パッケージ
今回もパッケージから。
まずは表面。
一部ぶつけたらしき跡があったのですが、カナダから運んだものですし、製品の性質上全く気にしなくていいかと思います。
英語だけでなく、フランス語とスペイン語で説明が書いてあるのはカナダ製らしい特徴ですね。
記載内容は
- 防水
- 耐衝撃
- 生涯保証
といったところ。
続いて裏側。
裏面はもう少し詳しく説明した内容になっています。
記載されている内容はラッチや自動気圧調整バルブなどについて。
特許取得済みらしいラッチはかなり気に入っているので、後ほど写真付きで紹介していきます。
側面にはサイズが記載されています。
ちょっと分かりづらかったので整理すると
内側のサイズは長辺33.6cm x 短辺23.4cm x 高さ10.4cm。
外側のサイズは長辺36.3cm x 短辺28.2cm x 高さ12cm。
PELICAN 1170 Protectorケースと比較すると約2倍程度の大きさになります。
同PELICANのiM2100 Stormケースの厚さを2/3程度にすると同じような大きさになります。
個人的にはショートスコープを2〜3本入れるのであればちょうどいいサイズ感ではないかなと思います。
それから、本体の他にカタログ、イベントの案内、ステッカーが入っていました。
余談なんですが、イベントの案内裏にこのような注意書きがありました……。
子供をケースの中に入れた事件でもあったんですかね……。
外観
ここからはパッケージから出して本体外観を見ていきます。
まずは表面。
全体的に曲線を多用して補強しているのがPELICANとの大きな違いでしょうか。
それから、バックルとヒンジのデザインは裏面の脚の形状に合わせてあるので、重ねて保管することができるようです。
裏面がこちら。
脚の形状と表面の溝を合わせてあるので、スタック保管はしやすいかと思います。
続いて、ハンドル周り。
ハンドルはPELICAN 1170と違い、ゴム製の滑り止めがついています。
自動気圧調整バルブは形状こそ違いますが、基本構造はPELICANと同じような感じだと思います。
続いて、個人的に気に入っているラッチ部分を見ていきます。
ラッチは二段階構造になっていて、グレーのロック部分を引き下げるとロックが外れる仕組みになっています。
下の写真のようにグレーのロック部分を引き下げながらラッチを持ち上げるだけでは完全にはラッチが解放されない仕組みになっています。
更にラッチを押し上げて上側のフックを外す必要があります。
開け方に癖があるので賛否が分かれる部分ではあると思うのですが、ラッチ部分を何かにひっかけて中に入っているものをばら撒いてしまうより安全性が高いので私はこの方式にメリットがあるかなと思っています。
特に公共交通機関でエアソフト関連のものをぶちまけたら色々な意味で大惨事ですからね……。
続いて、開口幅を見ていきます。
だいたい100度くらいまで開く構造になっています。
気になったのはPELICANと比べるとヒンジが固かったことでしょうか。
メリットとして考えると不意に閉じてしまっても手を挟まないで済む、デメリットとして考えると開けづらいといったところでしょうか。
まぁ、アメリカのユーザーが手を挟んで訴訟事になったら面倒ですし、このほうがいいんでしょうね……。
内装
ここからはフォームを含めた内装を見ていきます。
まずは上面のフォームから。
上面のフォームは、PELICANと同様に汎用性の高い波型フォームが使われています。
ただし、フォームの山の数は少なめなので、若干耐衝撃性は落ちるかもしれませんね。
続いて、下面。
写真では分かりづらいかもしれませんが、NANUKでも12mm角で切れ込みの入ったフォームが使われています。
気になったポイントは、フォームが割と柔らかめなことでしょうか。
PELICANと比べるとフォームの密度が低いような気がします。
一番底に別のフォームが入っているのもPELICANと同様ですね。
厚さはそれぞれこのような感じ。
切れ込みが入っている中間のフォームの厚さは実測で約48mm、底面のフォームの厚さは実測で約12.5mmでした。
底のフォームが薄めなので、取り扱いは気をつけたほうがいいかもしれませんね。
ちなみに自動気圧調整バルブの内側はこのような感じ。
外側のバルブの高さを抑える代わりに、内側に飛び出しているようですね。
サイズ感サンプル
ここからはサイズ感が分かるように、PELICAN 1170との比較やスコープを並べていきます。
まずはPELICANとの比較。
両ケースの右端を揃えて撮っているのですが、写真だとどうしてもズレて見えてしまいますね……。
イメージとしては二回りくらい大きいと思っていただけるといいかと思います。
続いて、高さの比較。
写真だと分かりにくいですが、高さは一回りくらい大きくなっています。
なんかこっちのほうが横幅の差も分かりやすいな。
続いてスコープのサイズ感を。
上段がVector OpticsのForester Gen.2、下段がVortexのSTRIKE EAGLE。
Forester Gen.2は、両サイドにかなり余裕がありますね。
STRIKE EAGLEも、両サイドの縁と1ブロック分のスペースがあるので問題なく入れることができそうです。
まとめ
今回購入したNANUK 910ですが、外装はPELICANと同等の性能を持っているのではないかと思います。
耐衝撃性や防塵・防水性能もMIL-SPECに準拠し、IP67とカタログスペック上はPELICANと同等なのも選ぶ上で参考になるポイントですね。
コストパフォーマンスの面で見ても同等サイズのPELICANの2/3程度と(相対的にですが)手に取りやすい価格なのもメリットでしょう。
気になるポイントとしては、フォームの柔らかさでしょうか。
MIL-SPECに準拠している以上は問題は無いと思うのですが、PELICANより若干耐衝撃性が弱いのではという懸念を持ってしまいました。
基本的な性能自体はPELICAN並みだと思うので、コストパフォーマンスを優先する場合は選択する価値があるのではないかと思います。