東京マルイ AKM ガスブローバックの簡易分解レビュー
前回の記事に引き続き、東京マルイのAKMの簡易テイクダウンをして内部を見ていきます。
東京マルイのAKMで初めてAK系のガスブローバックを購入する方もいるかと思います。
今回はそのような方に向けてテイクダウンの手順も合わせて見ていきます。
目次
マズルブレーキ
今回はフロント側から見ていきます。
マズルブレーキは、フロントサイトポストに取り付けられた回転留めピンを押し込みながら時計回りに回すと取り外すことができます。
基本的にAK系はこのピンで回転留めがされているので、ワッシャーで位置を調整しなくていいのは楽ですね。
問題は、14mm逆ネジのねじ切りが途中で止まってことです。
中途半端な位置で止まってしまっているので、社外製のハイダーなどを取り付けると隙間が空いてしまうかもしれません。
もしかすると、回転留めピンを使わないタイプのハイダーを取り付けた際にバネがヘタるのを防ぐための対策なのかもしれませんが、判断が分かれる部分ですね。
ボルト・ハンドガード
続いてボルトとハンドガードを分解していきます。
まずはデッキカバーを外して、リコイルスプリングガイドを引き抜きます。
デッキロック部分を前に押し込んで引き抜くだけで簡単に外せます。
実物もそうなのですが、デッキロックとリコイルスプリングを一体化させた合理的な形状かと思います。
バッファーは実物にはありませんが、亜鉛合金のレシーバーの強度を考えると取り付けられて当然のパーツではないかと思います。
実際、GHKのレシーバーでもバッファー無しで動作させるとすぐにダメージが入りますからね……。
取り出したリコイルスプリング単体でみたのがこちら。
写真だと分かりにくいですが、驚いたことに実物と同様、スプリングガイドがしっかりと2重構造になっていました。
全体的にマイルドなリコイルな仕上がりになっているのは、このスプリングの影響もあるかと思います。
ボルトキャリアはそのまま後ろに引き抜くだけなので、取り外しに難しいことは無いと思います。
形状はレシーバーとのガイド部分が少なめとの印象を受けます。
持った感じでは、ガイド部分が少ないのでGHKよりも若干軽そうな印象ですね。
後日、重量計測も含めてGHKのAK74Mと比較してみるかもしれません。
次はアッパーハンドガードを分解します。
リアサイトブロック右側面のラッチを解除して、アッパーハンドガードを上に引き抜きます。
引き抜いたアッパーハンドガード・ガスチューブがこちら。
上から見る限りは他のAK類と違いは無さそうなのですが……
裏返すと明らかに実物やLCT/GHK、E&Lとは構造が違います。
ガスチューブがネジ留めされているのが分かりますね。
ネジを外すとこのようにガスチューブが3分割されます。
この形状、最早ガスチューブとは言えないのですが、アッパーハンドガードを前後から挟み込めばいいだけなので、組み立てが簡単なんですよ。
実物と同じ構造だと、スチューブにアッパーハンドガードをはめるのにかなりの慣れが必要なのですが、この構造なら誰にでも簡単に組み込めます。
リアルさには欠けますが、コストカットに貢献してる部分かと思います。
ハンドガードを外した状態でガスチューブを組み上げたのがこちら。
実物パーツなどを組み込む場合、どうしてもネジ部分が干渉するので、削って現物調整する必要がありますね。
ちなみに、アッパーハンドガードとリアサイトブロックの固定部分の幅が実物や他社製AKとは異なります。
もし既存のアッパーハンドガードを流用して組み込む場合は、ここの幅に合わせてアッパーハンドガード側を削る必要があります。
リアサイトブロック側は恐らく亜鉛合金と思われるので、破損させないためにも本体側の加工は避けるべきでしょう。
続いて、ロアハンドガードを取り外します。
ロアハンドガードのフロントリテーナーのラッチを解除するとリテーナーがフリーになります。
あとはそのままロアハンドガードを外すだけです。
取り外したロアハンドガードのレシーバー挿入部はこのような形状をしています。
ここはアッパーハンドガードと同様に実物よりも小さくなっています。
交換する場合はこの部分が小さくなるよう加工する必要がありますね。
レシーバーのロアハンドガードを受ける部分の構造はこのような感じ。
この部分も強度を持たせるために、他社と比べて厚みを持たせて作られています。
ネジはアウターバレルやチャンバーを固定していると思われるのですが、まだカスタムする必要性を感じないので保留しました。
ロアハンドガードを外したことで見えるようになったクリーニングロッドがこちら。
悲しいことに、ここはダミーになっています。
ロアハンドガードの内側の構造を見る限り、リブや挿入部の強度などの関係でリアルサイズのクリーニングロッドを入れることもできなそうです。
リアルサイズクリーニングロッドは素直に諦めたほうがいいですね。
グリップ
ここからはグリップを取り外してみます。
ネジの頭は実物同様マイナスネジなのですが、ネジのサイズがM5と小径のものに変更されていました。
これは、ネジを受ける部分を出来る限り太くせずに別体のナットを収めるための工夫だと思います。
亜鉛合金のパーツにネジを切ると、ネジ山の強度が確保できないと判断したのではないかと思います。
なお、このグリップを受ける部分は根本の3mmほどが太くなっており、12.04mmでした。
先日紹介したMAGPUL MOE-K2グリップの内側は実測で11.45mmだったので、グリップ側を小加工する必要があります。
グリップの内側はこのような形状をしています。
グリップ後端側にはレシーバーに掛けるための爪がついています。
話が前後してしまいますが、ネジに関してはこのくらい太さが変わります。
東京マルイ製はM5なので、社外品に交換する時はM5x25mmくらいのネジとワッシャーを用意しておくといいかと思います。
MOE-K2グリップはM5x25mmのネジとワッシャーの組み合わせでグラつき無く組み込めました。
ストック
今回はストックは取り外しませんでした。
というのも、バットプレートのネジが割れたんですよ……。
どうやらネジロックが塗布されていてこれ以上回すと本当に使い物にならなくなりそうだったので保留としました。
クリーニングキット収納スペースの奥にプラスネジがあるので、これを外せばストックを外せるかと思います。
ですが、外したところでこの記事を書いている発売直後の現在では社外品のパーツは取り付け不可能の独自構造をしています。
とりあえずそのまま使うのが強度的にも悪影響は少ないと思います。
純正か社外品で強度が担保されたストックチューブアダプターが発売されたら取り外して、この記事を更新しようかと思います。
まとめ
単体の外観だけを見ると全体的に完成度の高い東京マルイ製のAKMですが、カスタムをしようと思うと難易度が跳ね上がります。
グリップに関しては樹脂製のものであれば小加工で問題無く取り付けできますが、ハンドガード周りになると金属のものが多くなるので工作機械が必要になってきますね。
もし交換したいなら、比較的難易度が低いのはMAGPULのMOE AKやFAB DEFENSEのVANGUARD AKなどになるかと思うので、試してみるといいでしょう。
ハンドガードに関しては、VANGUARD AKを用意しているので、後日紹介を予定しています。
ストックに関しては、最早相当の工作機械の知識と技術が必要になるので、しっかりとしたメーカーのカスタムパーツリリースを待つことを強く推奨します。
下手に切断などしてリコイルを受けまくると、内部にまで影響しそうな気がするんですよ……。
今回の東京マルイ製AKMガスブローバックは安定動作と耐久性を優先させた構造となっており、東京マルイのやる気を強く感じさせられました。
現段階ではカスタムの幅が狭いですが完成度は高いので、初めてのAKガスブローバックとしてはもちろん、AK好きなら買って損は無いと思います。