Vector Optics製初心者用スコープ Forester Jr.のレビュー
今回、つぼみアームズ様からVector Opticsの初心者用スコープForester Jr.をお借りする運びになり、レビューさせていただくことになりました。
お借りしてはいますが、忖度無くポイントを押さえてレビューを書いていこうかと思います。
今回レビューするForester Jr.は、普及帯のエアソフト用ライフルスコープとして非常に人気のあるForesterシリーズの最廉価モデルとなります。
廉価版の為、既存モデルから機能が減らされているものの、必要最低限の部分は確保されています。
予算が足りなかったり、まずはスコープがどのようなものなのか理解してからステップアップしたいといった場合に選ぶべきモデルではないかと思います。
目次
パッケージ
それではいつも通り、パッケージから見ていきましょう。
パッケージの上面は既存モデルと変わらない見た目で、違いが分かりませんね……。
側面に書かれているモデル名やナンバーから判断することになります。
側面にはしっかりとモデル名とモデルナンバーが記載されています。
分かりやすく、JR.の記載も入っていますね。
スペックはこのような感じ。
パッケージ記載のスペックはこのようになっています。
- 倍率:1-4x
- 対物レンズ径:24mm
- 射出瞳24-6mm
- レンズコーティング:フルマルチコーティング
- 視野:73.3-23.6feet @ 100yds
- アイリリーフ:110-90mm / 4.3-3.5 inch
- 全長:262mm / 10.3 inch
- 重量:390g / 13.8oz
- チューブ径:30mm
- クリックバリュー:1/2 MOA
- エレベーションレンジ:100 MOA
- ウィンデージレンジ:100 MOA
- パララックスセッティング:50yds
- レティクル:VFD-3
- イルミネーション:無し
- バッテリー:無し
Jr.はForester Gen.1がベースとなっているので単純比較はできませんが、手持ちのForester Gen.2のスペックと比べてみると
- 倍率:Gen.2の1-5xと比べて最大倍率が1段階低い
- アイリリーフ:5mm短い
- 全長:2mm長い
- 重量:25g軽い
- レティクル:VFD-2からVFD-3に変更
- イルミネーション:オミット
となっています。
蓋を開けたところがこちら。
しっかりと梱包された上にスポンジで固定されているので、傷など心配する必要は無さそうですね。
それでは、取り出して内容物を確認してみましょう。
- Forester Jr. 本体 x1
- 保護キャップ(本体に装着済み) x1
- 対物レンズ用窓付きバトラーキャップ x1
- マウントリング x1
- レンズクリーナー x1
- ユーザーマニュアル x1
- マンガで分かる!ゼロインかんたんマニュアル x1
- つぼみアームズ保証登録案内 x1
保証登録案内のデザイン、どこかで見たことがあるような……。
外観
続いてForester Jr.の外観を見ていきます。
本来はForester Gen.1と比較するべきなのですが、Gen.1を友人に譲ってしまったのでGen.2と並べて比較していきます。
上段がJr.、下段がGen.2となります。
まずは右側面。
ぱっと見で分かりやすいのはダイヤル類にカバーがついているかどうかと、パワーセレクター部分のデザインの違いですね。
続いて左側面。
こちらの面は違いが一目瞭然ですね。
イルミネーションのダイヤル自体が無いので、すっきりとしたデザインになっています。
続いて上面。
パワーセレクターの表示がGen.1準拠となるので、窓の中に倍率が表示される仕様となっています。
最後に底面。
シリアルナンバーがホワイトプリントで刻印されているので、保証を受ける際の心配は少ないかと思います。
続いて、パワーセレクターに記載されている倍率とスルーレバーの位置を見ていきます。
スルーレバーの位置が、1倍の時にはかなり下側に、最高倍率の4倍の時には左斜め上にくるので、ちょっと使い勝手が悪いですかね……。
個人的に理想的な位置は1倍時・最大倍率時に水平位置にくるものなのですが……。
続いて、エレベーションダイヤルとウィンデージダイヤルを見ていきます。
前述のとおり、Forester Jr.はカバー付きのモデルになっており、好みが分かれるところかと思います。
また、エレベーションダイヤルは高さがあるので、若干視界が狭くなってしまいます。
ただ、この高さを気にすると5万クラスのものになってしまうので気にしすぎないでいいかと思います。
カバーを外した状態のエレベーションダイヤルがこちら。
ダイヤルは手で回せるツールフリー仕様、目盛りは指で回してゼロリセットもできるので、機能としては十分かと思います。
ウィンデージダイヤルに関しても仕様は同様になります。
中央のネジはいじる必要が無いので、気にしないでいいかと思います。
次はレンズ周りを見ていきましょう。
まずは対物レンズから。
緑系のコーティングがされていています。ざっと見てみた感じではムラはありませんね。
それから、対物レンズのフード部分にモデル名がホワイトプリントされているのですが、
Forester 1-4X24と記載されていました。
性能面には全く影響は無いのですが、“Jr.”の表記が無かったのが気になってしまいました。
接眼レンズ側は青系のコーティングですね。
こちらもムラは無かったので、廉価版だからといって品質で手を抜いているということは無さそうです。
保護キャップ類
次はレンズの保護キャップ類を見ていきます。
保護キャップ類は2種類付属しています。
一つ目が、対物・接眼両方にはめる保護キャップ。
ぱっと見、Gen.1に付属していたものと同じですね。
ゴム紐で繋がっているので、紛失するリスクは低いかと思います。
個人的に好印象なのがこちら。
窓付きのバトラーキャップになります。
窓部分にはポリカーボネートらしき板がはめ込まれているので、開けなくてもそのまま使えます。
また、キャップを跳ね上げなくても視界に干渉しないので、そのままプロテクターとして使用できるかと思います。
ちなみに跳ね上げるとここまで開くので参考までに。
この状態でも特にブラつくことは無いので、使い勝手はいいですね。
欠点は、保護キャップをバトラーキャップの上から着けられないことくらいでしょうか。
マウントリング
外観の最後はマウントリングを見ていきます。
マウントリングはSCOT-54Lというモデルだそうで、Vector Opticsのサイトを確認しても見つからないモデルでした……。
末尾のアルファベットが異なるモデルはあるので、もしかしたら廃番なのかもしれないですね……。
パッケージの中身はマウントリング2つと六角レンチ1本。
必要最低限のセットですね。
高さはロープロファイルになります。
ショートスコープを使用するならM4系が多いと思うので、ここはハイプロファイルのマウントをつけてくれると嬉しかったので残念ポイントですね。
ボルトアクションに載せるのであればこのままでもいいのですが、M4系に使うのであれば別途マウントを購入したほうがいいかと思います。
マウントを上面から見たのがこちら。リングの固定方法は左右2本・計4本のネジで固定するタイプとなります。
重量は実測値で1つあたり47gと比較的軽量なのかなと思います。
ちなみにマウントの内側には傷防止のテープが貼られていました。
フィールドテスト
最後に屋外で実際に見てみたので簡単に紹介しておこうかと思います。
後日、しっかりとレンジに行って撮影を予定しているので簡易版となります。
まずは1倍から。
Foresterシリーズらしい中心部は高めの解像度の描写性能ですね。
周辺部は若干コントラストと解像度が落ちていくのも同シリーズの特徴かと思います。
Gen.1ベースということもあり、縁の薄さは特筆すべきものがあるかと思います。
また、他のForesterシリーズ同様の弱点として、歪みがそれなりにあるというのも事実です。
写真では分かりにくいのですが、周辺部を見ながら移動すると場合によっては酔ってしまうかもしれません……。
中心を見ながら移動するのではれば影響は少ないと思うのですが、せっかくの広い視野角が勿体無いというのが正直な感想です。
続いて4倍。
ここまでくると流石に縁の幅が広くなってきますね。
周辺部の解像度が若干落ちているのも1倍時と同じですね。
流石に4倍になると歪みは気になりませんね。
歪みが気にならなくなるのはだいたい2倍くらいからなので、どうしても酔ってしまう場合には2倍以上での運用をお薦めします。
まとめ
このForester Jr.はForesterシリーズの中でも最廉価モデルということで、どの程度機能を削ってくるのか気になっていました。
結果としては、光学性能は予想をいい意味で裏切ってほとんど削られていませんでした。
削られているのは最大倍率が4倍に落ちていることくらいでしょう。
最も影響が大きいのは、イルミネーションがオミットされていることではないかと思います。
屋外の開けたフィールドであればレティクルを見失うことは無いのですが、ローライトコンディションのインドアフィールドや夕方の森林フィールドなど、薄暗い環境ではレティクルを見失ってしまうかと思います。
レティクルを見失ってしまっては意味が無いので、良く行くフィールドの傾向に合わせて購入を検討することを強くお薦めします。
なお、イルミネーションがオミットされている影響で重量も多少軽くなっているので、少しでも軽くしたい場合にも一考の余地があるかもしれません。
付属品に関しては、プロテクター入りのバトラーキャップは嬉しいおまけではないでしょうか。
サバイバルゲーム用途として見ると、対物レンズの損傷を防げるのは意外と重要なので、ゲーム時には取り付けておいたほうがいいかと思います。
マウントリングに関しては、ほぼ追加購入必須と思っていいかと思います。
これは本文中にも書きましたが、M4で使うには厳しいので追加投資が必要な部分となります。
マウントリングはスコープを買い替えても使いまわせるので、そこまで気にしなくてもいいかもしれませんね。
総評としては、初心者用スコープとしては非常にコストパフォーマンスに優れており、購入候補の筆頭に挙げていいかと思います。
一方で、光学性能やイルミネーションなど物足りない部分があるのも事実です。
恐らく、このスコープをしばらく使っているとより良いスコープが欲しくなってくるのではないかと思います。
私自身、Forester Gen.2購入当初は次を買わない予定だったにも関わらず、色々とスコープに手を出してしまっているので……。
スコープ沼の入場チケットがこれまで以上に格安となったので、興味がある方は是非試してみてほしいところです。
つぼみアームズのForester Jr.購入ページはこちら。