S&T フルメタルM4 GBBの内部レビュー
前回の外観レビューに引き続き、S&TのフルメタルM4 GBBの内部を見ていきます。
外観についてはこちらからご覧ください。
見た目を気にする場合、内部に関してはアウターバレルとハンドガード周りをなんとかクリアできれば、S&Tにしては意外と素直に使えるのではないかというのが正直なところ。
問題はそのアウターバレルとハンドガード交換をどうするかといったところなのですが……。
どちらにしても、WAやそのカスタムパーツのコピー品なので割と動作は良さそうです。
目次
アウターバレル周辺
それでは、S&TのM4 GBBの中で私が唯一気に入らないアウターバレルから見ていきましょう。
とりあえずこの写真を見ていただきましょう。
全体的に寸胴なアウターバレルとなっており、ガスブロックをつけることを拒否するような仕上がりになっています。
逆にアウターバレル根本の太くなっている部分の径が無駄に細くなっていたりと訳の分からない構造をしています……。
また、標準で2mmが1枚、0.2mmが3枚の計2.6mmのシムが入っていました。
……2mmのシムって何なんですかね?
ハイダー部分のネジ切りは14mm逆ネジだったのですが、ここは元々ついていたハイダーがイモネジ固定式だったのでネジ山が潰れるという惨事になっています……。
続いてバレルナットを見てみましょう。
形だけは意外としっかりとNOVESKE NSR用のバレルナットの形状を再現しています。
ですが、問題はネジ切り部分でして……。
参考用として、以前購入したIRON Airsoft製のNSRのバレルナットと比較してみました。
左がIRON Airsoft製、右がS&T製のバレルナットになります。
S&T製のネジ切りが手前側のネジ穴まできているのがお分かりいただけるだろうか……。
ネジ切り部分の深さを測ってみたのですが、IRON Airsoft製は13mmなのに対して、17.6mmとなっていました……。
その差は4.6mm。かなり差がありますね……。
その代わり、S&T製のバレルナットは約0.6mm太く、IRON Airsoft製のハンドガードは使えませんでした。
マジでどうなってんだコレ。
続いて、バレル基部を見ていきます。
バレル基部のネジ切りは恐らくミリネジになるのですが、如何せんことにこちらも若干高く作られているようです……。
この関係で、他社製のバレルナットを使用すると、必然的にハンドガードとアッパーレシーバーの間隔が約2mm開いてしまいます……。
バレルナットの深さの差と最初から入っていたシムの厚みとも一致するので、恐らく間違いないでしょう……。
ハンドガードを交換する場合は、バレルナットのフランジかアウターバレルのフランジを2mmくらい削るのがいいでしょうか。どちらにしても旋盤が無いとかなり難しいですね。
ホップアップチャンバー
続いてホップアップチャンバーを見ていきます。
この個体に入っていたホップアップチャンバーは金属製でした。
なお、ホップの調整機構は2タイプついており、ダイヤル式とイモネジ式の2パターンをホップアップレバーの位置関係で切り替えることができます。
次の写真はイモネジ式の時の配置になります。
この状態でノズル側のイモネジを調整するとダイヤルが前後してホップの強弱を切り替えることができるようです。
そのイモネジはこちら。
思いっきりノズルがぶつかる部分の真下についています。
この位置ならたしかにボルトキャリアを外せば簡単に調整できはするのですが、衝撃でホップダイヤルが緩むのではないかと心配になる位置でもあります。
このイモネジを調整すると、次の写真のインナーバレル切れ込みあたりにある突起が前後してホップの強弱を調整できるようです。
分解したのがこちら。
分解前はホップアーム先端が尖った形状をしているのでホップ調整をした時にブレるのではないかと思っていたのですが、軸が貫通する形で入っているので、意外とブレは少ないかもしれません。
インナーバレル長は193mmと中途半端な長さでした……。
インナーバレルを交換する時は180mmくらいのものを使うのがベストですかね、これは……。
同じ構造のチャンバーはIRON Airsoftが出しているので、完全なコピー品ですね。
この構造ならハンドガードを外さなくても調整はできるのですがどうにも気に入らないので、私の場合はダイヤル式で使えるハンドガードに交換したいところなのですが……。
ボルトキャリア・ノズル
続いてボルトキャリアを見ていきます。
ぱっと見の基本構造はWA用のボルトキャリアと変わらないのではないかと思います。
ただ、私はWA用のボルトキャリアを持っていないので断言は避けておきます。
左側のノズル固定用部分を見てもWA用と大きな差は無いように見えます。
ノズルを引き出してみましたが、写真で比較する限り、ここもWA用と互換がありそうです。
ノズルは事前情報通り、金属製でした。
この写真だと白飛びしていますが、恐らく真鍮か何かだと思われます。
合わせてチャージングハンドルも見ていきます。
チャージングハンドルの全長は実測170mmだったので、もしかしたら、WA用のものより若干短い可能性があります。
アンビタイプなので、引きやすさはあるのですが、塗装がちょっと安っぽいかもしれません。
リコイルバッファー・バッファーチューブ
次はリコイルバッファーを見ていきます。
リコイルバッファー収納部分はWA製とさほど違いは無さそうに見えます。
リコイルバッファーを引きずり出したのがこちら。
リコイルバッファーとスプリング、それからダンパーですかね、これは。
赤いものはゴム製で、他は軽金属のようです。
リコイルバッファーの形状はWA用にも販売されている形状だったかと思います。
唯一、バッファーチューブで気になるのはここでしょうか。
バッファーチューブ基部の径がもしかしたら細いかもしれません……。
部屋に転がっていたAirsoft Artisan製のバッファーチューブをはめてみようとしたのですが、バッファーチューブのネジ径が大きいようで、入りませんでした。
エンドプレートにも入らなかったので、本当に径が違うのでしょう……。
他社製のエンドプレートなら径が太くなって入るとは思うんですがね……。
まぁ、ストックであれば目立つ場所ではないので、現状維持でもいいのかなと。
トリガーグループ
最後にトリガーグループを見ていきます。
まずはハンマーの形状。
ローラーなどは入っていませんが、形状的にはWAのものと近いように感じます。
見えにくいですが、セレクターやトリガー周りがこちら。
セレクターをセーフに入れる時に若干かかりが悪いので、調整をしてもいいかもしれません。
2020/2/21 追記
調整した内容を記事にしました。
2020/2/21 追記ここまで
ボルトキャッチの形状はこのように。
トリガーグループ周りはセーフティのかかりが悪い以外は気になるところは無かったので、少しすり合せをして大きくいじることは無さそうです。
まとめ
全体的にはジャムるなどの問題も無く、いじり甲斐がありそうな出来になっているのですが、ところどころ妙な寸法になっているのが気になるというのが正直なところでしょうか。
特にいただけないのが、バレル周りですね。
流石にハンドガードを交換した時にアッパーレシーバーとの間が2mmも開いてしまうのはいただけません。
とは言ったものの、30000円以下でGBB長物を試せるというのは大きなメリットでもあります。
マガジン自体も恐らくWA系であれば使いまわせるので、乗り換えたとしても持て余すことにはならないのではないかと思います。
本当に色々と細かい規格部分で残念ではあるのですが、箱出しで試す分には全く問題無いのではないかと思います。
まだサバイバルゲームには未投入なのでなんとも言えない部分はありますが、いじり倒してみようかと思います。
セイフティの掛かりが悪いのですがどの様な対策をしていらっしゃいますか?
初めまして。コメントありがとうございます。
セーフティに入りづらい原因ですが、私の個体ではセレクターの切り欠きにオートシアーが乗り上げてしまっていることが起因していました。
対策をするなら、オートシアーの形状を整えてあげるのが一番効果が出るかと思います。
余談ですが、どうしてもセーフティが入らない場合は、レイルの上面を軽く叩くとセーフティに入るようになるので、緊急時はこの方法で対処してもいいかもしれません。
これから、分解して調整した内容を記事にするので、よろしければそちらをご覧いただければと思います。
https://fruitful-hobby.com/st_m4_gbb_fullmetal_sear_adjustment/
内部パーツの主要部分(ボルトやハンマー等)はスチール製ですか?
アークさん、初めまして。
トリガー周りのパーツはスチール製になります。
ボルトキャリアは磁石がつかなかったのでスチールではないことは確かです。
初めまして。G&P製のWA用フレームの購入を検討しているのですが、WAのコピーと言われているS&Tの内部パーツは取り付け可能でしょうか?
シラスさん、初めまして。
私自身がG&Pフレームを持っていないので試していないのですが、友人のG&P製のWA用フレームと比較した限りではS&T内部パーツを移植できるはずです。
一部互換性が無いのがバッファーチューブで、S&Tのものは径が異なっています。
その点を注意してお試しいただければと思います。